房 総
自由民権資料館

Digital Museum 創立27周年(1998年10月11日~)




資料館:〒296-0105 鴨川市成川1-1
郵送先:〒296-0104 鴨川市南小町 723

 問合先: 090 - 6952 - 0481
 メール: sakumako1@athena.ocn.ne.jp


第2回「自由民権地域研究・顕彰活動賞」
(江村栄一記念会)を受賞いたしました。



 賞状
(佐久間耕治館長)↑



2023年3月5日 私学会館にて ↑



◎収蔵資料紹介「漢詩と民権運動」



『兆民先生』博文館1902年5月初版↑
※兆民の漢詩2首、秋水の漢詩4首、杜甫の漢詩2+7首を記載




鈴木虎雄『禹域戦乱詩解』1945年初版と『中国戦乱詩』2022年再々刊↑
※解説された杜甫の五言古詩「前出塞」に専守防衛
(不侵略)の詩句



鈴木虎雄・黒川洋一訳注『杜詩』
(全8冊)岩波文庫1963年~1966年発行↑
※第1冊に「前出塞」、第3冊に「同谷縣作歌七首」
、第4冊に「蜀相」



『幸徳秋水全集第八巻(兆民先生他)』明治文献1972年6月発行↑




漢詩実作必携 平仄字典 新版』明治書院2013年1月発行↑
※原著は林古溪『
新修 平仄字典』明治書院1935年



『杜甫全詩訳注(二)』講談社学術文庫2016年7月発行↑
※「乾元中、同谷県に寓居して作れる歌七首」
(七古)、「蜀相」(七律)を収載



『兆民先生
他八篇』(新編)岩波文庫2023年4月発行↑
※杜甫の七言律詩「蜀相」の引用部分「涙沾襟」は誤植又は誤認

※収蔵資料の解説は下欄「象の耳・象の鼻」を御覧ください。

交通アクセス
館山自動車道・鋸南保田インターから約30分
  (インター→長狭街道→主基交差点南入)
②東京駅八重洲口バス鴨川直行便(1時間1本)


※JR鴨川駅東口からバス15分 → 
主基駅
 徒歩約5分






English

再び光り輝く朝日のもとに
Under the rising sun,
It will shine again.


展示

     
  群 参 す る 地 域 の 民 権 家
      ↓下線の部分をclickして下さい 

安房地域

 
 
鴨川の民権教師 原亀太郎(HARA KAMETARO)  
  原亀太郎の墓・安田勲・加藤淳造(医師)・安房の女性民権家等

いすみ地域 

 
 
夷隅の豪農自由党員 井上幹(INOUE MIKI) 
  井上幹夫妻写真・産業結社「精農社」・薫陶学舎・嶺田楓江・君塚省三等

長生地域 

 
 
茂原の自由党員 齊藤自治夫(SAITO JIJIHU) 
  齊藤自治夫宛書簡の束・吉原次郎八宛齊藤書簡・略年表等


千葉地域
 

 
 
代言人 板倉中と妻比左(ITAKURA NAKABA・HISA) 
   大阪事件の弁護・自由党解党後の書簡・東海新報・千葉と東葛の民権家

山武地域 

 
 
憤起慷慨の民権家 桜井静(SAKURAI SHIZUKA) 
  豪農民権家の生涯を追いかける・山武と印旛の民権家

香取地域 

 
 
香取の商人自由党員 石田直吉(ISHIDA NAOKICHI) 
  温知社・自由党員名簿・秩父事件の千本松吉兵衛・銚子と海匝の民権家

資料室

 
 
自由民権資料コーナー   
  資料と統計



  元祖 民権BLOG

【象の耳・象の鼻】
2025年4月1日



《みんけん館掲示板》


◎4月の行事
4月 1日(火):オンライン講習会
4月 4日(金):清明節
4月 9日(水):館長通院(内科)
4月20日(日):穀雨、民権林園タケノコ掘り

◎みんけん林園 Self Sown Seed System, Experimental Farm
△収穫:タケノコ(孟宗竹)、セリ、ミツバ、フキ
△栽培:空豆(支柱)、馬鈴薯(土寄)、里芋(植替)
△野鳥:メジロ、ウグイス、アオサギ

◎異常気象・災害・感染症
▼ミャンマーで大地震、死者2000人超。

◎みんけん館寄贈寄託資料・連絡通信コーナー
□「桜井静(さくらい・しずか)ゆかりの仏具」(関係者御子孫の寄贈2025年3月)。
□会報『秩父№225』(秩父事件研究顕彰協議会2025年3月)※「大野国蔵の墓碑」の写真と解説。



収蔵資料解説「漢詩と民権運動」

芭蕉の晩年の名句は「旅に病んで夢は枯野をかけ廻(めぐ)る」です。3月は杜甫の絶筆となった漢詩(五言排律)の一部分を紹介しました。4月は貧窮の旅人であった杜甫の名句を鑑賞しましょう。

杜甫晩年(50代後半)の詩を網羅(もうら)した『杜甫全詩訳注(四)』(講談社学術文庫2016年)から、漂泊(ひょうはく)の詩句を紹介します。

「縁情慰漂蕩」
 「抱疾屡遷移」
(偶題【作品番号1028】766年秋、55歳)

書き下し文
情(じょう)に縁(よ)りて漂蕩(ひょうとう)を慰(なぐさ)め
疾(やま)いを抱(いだ)きて屡々(しばしば)遷移(せんい)す
(『杜詩第七冊』岩波文庫1966年、『杜甫全詩訳注(四)』講談社学術文庫2016年参照)

現代語訳
私は感情の赴(おもむ)くままに詩を作って漂泊の暮らしを慰め、
病(やまい)を抱(かか)えたまま各地を転々としている。
(上掲文庫参照)

「偶題」の詩型は杜甫の絶筆(辞世)と同じ「五言排律」(律詩を引き伸ばした形式)です。他界する4年前の766年、杜甫が55歳の時の作品です。漢詩の歴史と自身の流転の境涯を、韻字と対句の技法を駆使して表現しています。

「嚢虚把釵釧」
 「米盡拆花鈿」
(秋日夔府詠懐【作品番号1155】767年秋、56歳)

書き下し文
嚢(のう)虚(むな)しくして釵釧(きせん)を把(と)り
米(こめ)尽(つ)きて花鈿(かでん)を拆(さ)く
(『杜詩第七冊』岩波文庫1966年、『杜甫全詩訳注(四)』講談社学術文庫2016年参照)

現代語訳
財布が空(から)になると妻の釵(かんざし)や腕輪(うでわ)を銭(ぜに)に代え、
米(こめ)が無くなると螺鈿(らでん)を引き裂(さ)いて食糧に代える。
(上掲文庫参照)

「秋日(しゅうじつ)夔府(きふ)詠懐(えいかい)」の詩型は上述の「偶題」と同じ「五言排律」(律詩を引き伸ばした形式)です。五言200句からなり、韻字は下平一先(邊~銓)で100韻に及びます。杜甫の最長の漢詩です。767年56歳の時の円熟した作品です。場所は夔(き)州(現在の重慶市)でした。

「此身飄泊苦西東」
 「右臂偏枯半耳聾」
(清明其二【作品番号1383】769年春、58歳)

書き下し文
此(こ)の身(み)は飄泊(ひょうはく)して西東(せいとう)に苦しみ
右臂(うひ)は偏枯(へんこ)し半耳(はんじ)は聾(ろう)なり
(『杜詩第8冊』岩波文庫1966年、『杜甫全詩訳注(四)』講談社学術文庫2016年参照)

現代語訳
私は漂泊して行方(ゆくえ)の定まらない旅に苦しむ。
右手(みぎて)は自由がきかず片耳(かたみみ)は聞こえない。
(上掲文庫参照)

「清明」の詩型も七言排律、韻字は上平一東(東・聾・空・同・楓・中・翁)です。「清明節」は4月上旬の節気です。769年58歳の時の作品です。同詩には右手が利(き)かなくなったので左手で空中に文字を書くというような凄絶な詩句もあります。

768年作の五言律詩「岳陽楼(がくようろう)に登る」【作品番号1363】には、「老病(ろうびょう)弧舟(こしゅう)有(あ)り」(老病の身にたった一つの小舟が有るだけ)の詩句があります。「悲哀」の名詩と言えるでしょう。

(以下続く)

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厭戦いろは歌留多 Anti-War Proverb Cards

続・厭戦いろは歌留多 Anti-War Proverb Cards Ⅱ

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俳諧歌仙「コロナ禍」「続コロナ禍」

COVID-2019 新百人一首(対訳)

コロナ禍オッペケペー節

みんけん落首(切りたくもあり切りたくもなし)

パンデミック連歌二百韻

(2025年4月)


【象の耳・象の鼻集成コーナー】 
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