民権ブログ集成 《 千 挫 不 撓 》 |
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《2009ブログ》
★日本の自殺者の数が昨年も3万人を越え、連続11年になったというニュースを先日テレビで見ました。この10年で30万人以上の日本人が自殺したことになります。こんなひどい数字を過去の日本のどんな時代に比較したらよいのかと考え込んでいます
★世界史でも、災害・疫病・戦争を除くと、連年自殺者合計30万人以上という国家(社会システム)は過去に存在しないでしょう。どうしてこんな国になったのか?史上最悪の「絶望(命の軽い)国家」と言わねばならないでしょう。「過労」「リストラ」「いじめ」「家庭崩壊」「老老介護」「ホームレス」「うつ病」「パワハラ」「派遣切り」・・・。直視するのが恐ろしくなりませんか。
(2009/3/8)
★南房総の「自由民権運動の地下水」とは異なる、安房地域の「マルクス主義の地下水」に最近辿り着いてしまいました。梅本克己という市井の哲学者は、昭和5年(1930)に安房中学を卒業し、その後旧制水戸高校に進学しました。『著作集第10巻』(三一書房)に拠ると、東大の倫理学科では和辻哲郎に学んだようです。
★梅本克己著『唯物史観と現代』(岩波新書)の初版及び二版を読むと、梅本のマルクス理解の特色は
①新時代を創出するプロレタリアートの主体形成(『ヘーゲル法哲学批判序論』に依拠)
②人間疎外の克服(『経済学・哲学草稿』に依拠)
③労働力商品からの脱却(『資本論第13章』に依拠)
です。私的な整理ですが・・・。
★講壇哲学者とは異なるこの地下水脈を、地域史研究者の目線で少し考えています。60歳定年まで残り1年となりました。
★最近、思い立ってカール・マルクスの『資本論』を拾い読みしています。自宅にはドイツ語原書のDas Kapital(ディーツ版)全3巻、向坂逸郎訳(岩波文庫)、岡崎次郎訳(大月書店)、長谷部文雄訳(青木文庫)、英語訳(ペンギンブックス)全3巻と5種類の『資本論』があります。『漫画で読破・資本論』も購入してあります。今回は長谷部訳を読んでいます。
★かつては、高畠素之訳(本邦初訳)も持っていましたが、活動家の同僚に貸してそのままです。古書店に売却した『資本論』もありました。ドイツ語の『資本論』(1972年発行)は学生時代に購入したものですから、35年以上の年月が過ぎ去りました。「搾取度」「分業」「本源的蓄積」等の箇所に書き込みがしてあります。想い出は次から次と甦ります。
(2009/3/22)
★学生時代、第二外国語はドイツ語を学習しました。先生はブレヒトの翻訳家でしたが、私は上達しませんでした。しかし手許にはドイツ語の「ヘーゲル法哲学批判」「経済学・哲学草稿」『資本論』等が残っています。
★Marxの著作ではWERKEの他にMEGAも自宅の書庫にあるので、両親(既に故人)に心配をかけながらよく集めたものです。(左翼道楽息子であったかもしれません?)現在、MEGAは千葉県内に何冊残っているでしょうか。もったいないので、少しずつ書き抜き作業をやってみようかと考えています。
(2009/4/19)
★故梅本克己は「経済学・哲学草稿」の疎外論を次のように整理しています。
①生産物の労働者からの疎外
②生産活動の労働者からの疎外
③類的生活の人間からの疎外
④人間からの人間の疎外
(『著作集』第六巻)
★時代は1970年代よりも更に深刻化していますので、『経済学・哲学草稿』(岩波文庫)Okonomisch-philosophische Manuskripte の「疎外された労働」Die entfremdete Arbeit を再読するともっと他の表現が気になりました。(「日本絶望自殺国家」分析のために)「労働の実現は激しい現実性剥奪」「激しい対象の喪失」「最大の緊張と不規則きわまる休止」「労働者には赤貧」「労働者には穴ぐら」「労働者には不具」「労働者には低能」「労働者には白痴」「彼の肉体は消耗」「彼の精神は頽廃化」「労働がペストのように忌み嫌われ」「労働は自己犠牲」「自己を苦しめる労働」「労働者の活動は他人に属し」「労働者自身の喪失」「苦悩としての活動」「としての力」「去勢としての生殖」「賃金の下僕」「奴隷の報酬改善」
★ドイツからパリへ転居した頃の草稿ですが、Marxは当時(19世紀前半)の労働をよく観察したものですね。私は20代の頃にはこのような指摘はあまり気にかかりませんでした。今はパソコンに向かって書き連ねて、溜め息の連続・・・。
★現代日本では、富国有徳の「町人国家論」の異常な破綻が起きています。幻視の亡霊(30万以上)の中を呟きながら模索する老いたハムレット?還暦老教師。
(2009/4/26)
★再び、南房総地域のMarx研究の地下水に戻ります。梅本克美は「資本主義生産の全体系は、労働者が自己の労働力を商品として売るということにもとづいている」(『資本論』13章)という論述を引用し、資本主義生産体系の構造的基礎を一語のもとに要約するとしたら、まさにこの一事に尽きると書いています。(『唯物史観と現代 第二版』162頁岩波新書1974年)
★資本論のドイツ語原書(ディーツ版)では次のように書かれています。
Das ganze System der kapitalischen Produktion beruht darauf, daß der Arbeitskraft als Ware verkauft.
★英語版(ペンギンブックス)では次のような翻訳です。The whole system of capitalist production is based on the worker's sale of his labour-power as a commodity.
★労働力はArbeitskraft(独)とlabour-power(英)。商品は Ware(独)とcommodity(英)です。
★学生時代(40年前)私は、時代の雰囲気の中で何気なく、大学は「知的労働力商品」の再生産工場であるという言い方をしていました。それは「帝国主義」大学・「産学協同」路線批判の重要な論点でした。この用語は『資本論』索引には見当たらないので、誰かの造語であったのだろうと今は考えています。
★マルクスは「労働力商品」と「知的労働力商品」の差異と問題点を論じてはいません。梅本克己も同様です。『ドイツ・イデオロギー』には分業による「物質的労働」と「精神的労働」の区別が指摘されています。労働を分断する「知的」部分は現代的探究の課題であったのです。今から思えば。
★マルクスの権威は日本では地に落ち(40年後)、情況は更に悪化しました。現状分析のために、返って気兼ねなくの著作の真価を自由闊達に論じられるようになったことは一つのパラドックスですね。
★連休中に房総丘陵の還暦登山に挑戦しました。300メートル~400メートルの山ですが、けっこう山深く、転げ落ちたら大怪我をしそうな急峻な小径や絶壁もあり、冷や汗をかきました。
★御殿山(ごてんやま、山名の由来は日本武尊がここに御殿を建てたという伝説)は標高364メートルです。その日、頂上付近には私達ファミリーしか登山客がいませんでした。熊蜂・山鳩・揚羽蝶・蕗・藤・スダジイ・腐葉土・流水・冷気。やはり生命の「根源」(ギリシア哲学ではアルケー)は残存する「自然」です。歩け、歩け、アルケー?。
★遠く太平洋と東京湾、伊予ヶ岳や嶺岡山系を眺望し、新しく購入したダブルメモリィのビデオカメラ(キャノン)で残存する「自然」を撮影して来ました。撮影した新緑の山稜風景は自宅のテレビで鑑賞できます。高い解像度の緑色や、せせらぎ録音のハイテク水準には呆れるほどです。
★いずれ、南房総民権史跡のビデオ製作に挑戦し、HPにアップロードできないものかと考え始めました。私にとって民権顕彰の最後の課題となりそうです。(メタボの老骨に自ら鞭打って)
(2009/5/10)
★パソコンが故障し、メーカーに修理に出していましたので、しばらく眼と神経の休養ができました。すべての設定をやり直し、久し振りのホームページ更新です。
★自殺は英語ではsuicide、ドイツ語ではder Selbstmordです。地域における<der Selbstmordの様々な事例(十指に余る)に言及するのはとても切ないので、物語の場面だけを書き抜いてみます。夏目漱石の『夢十夜』は私の愛読書の一つです。「死と再生」がテーマの(百年前の)哀切な夢物語と言えます。
◎「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」・・・長い睫の間から涙が頬へたれた。もう死んでいた。(第一夜)
◎「御前がおれを殺したのは今から丁度百年前だね」・・・おれは人殺であったんだなと始めて気が附いた途端に、脊中の子が急に石地蔵の様に重くなった。(第二夜)
◎生きると答えると降参した意味で、死ぬと云うと屈服しないと云う事になる。自分は一言死ぬと答えた。・・・自分は死ぬ前に一目思う女に逢いたいと云った。(第五夜)
◎自分の足が甲板を離れて、船と縁が切れたその刹那に、急に命が惜くなった。心の底からよせばよかったと思った。けれども、もう遅い。(第七夜)
◎遥の青草原の尽きる辺から幾万匹か数え切れぬ豚が、群れをなして一直線に、この絶壁の上に立っている庄太郎を見(め)懸けて鼻を鳴らしてくる。・・・庄太郎は助かるまい。(第十夜)
★漱石は凄いですね。豚インフルエンザを予測しているかのようです。『夢十夜』、機会がありましたら一読してみませんか?文庫本は定価400円です。
★次回は『資本論』13章から、日本語とドイツ語の書き抜きです。「日本絶望自殺国家」のなかで、心の底から元気をつかむために。ギリシア語のプシュケー(霊魂)とアルケー(万物の根源)は死語か術語か?
(2009/6/21)
★夏休みに入りました。最後の?夏休み。最近、次のような共同通信のネットニュースが流れました。相変わらずSelbstmordの多発状態が続いているようです。
◎今年1~6月の自殺者が計1万7076人に上っていることが警察庁が公表している暫定値で分かった。統計を取り始めた1978年以降最悪だった2003年の年間3万4427人に近づくペース。男性が1万2222人、女性が4854人。都道府県別では東京都が1569人で最も多く、大阪府の1057人、埼玉県の971人、神奈川県の938人が続く。6月だけでみると、2822人で、昨年同月より53人多かった。警察庁は年代や職業、原因を公表していない。
★Selbstmordの数字は男性が女性の2倍以上です。千葉県は埼玉県に次いで増加率2番目(94人増)に位置し757人です。原始仏教では生きることは苦しみであり、四苦八苦は「生」「老」「病」「死」と「愛別離苦あいべつりく」「怨憎会苦おんぞうえく」「求不得苦ぐふとくく」「五蘊盛苦ごうんじょうく」です。
★劇場公開中の映画「劍岳(点の記)」を見ましたが、修験道行者の孤独な求道の姿が不思議に印象的でした。
(2009/7/28)
★資本論第13章第5節の「労働者と機械との闘争」、ここから引用を始めます。
◎資本家と賃金労働者との闘争は、資本関係そのものとともに始まる。それは全工場手工業時代を通じて荒れ続ける。
★Marxの文体は常に論理的ですが、アイロニカルでもあるので、情熱のほとばしりを感じることは殆どありません。しかし第13章第5節だけは、Marxの文体が直情的になっているように思います。用語も
passionate です。例えば次のように。
◎「労働者は闘争する」「彼は反逆する」「労働者の反逆」「民衆の反抗」「労働賃金のための闘争」「大規模で急激で強力な革命」「直接的暴力行為」「政治革命の外観」「労働者の強暴な反逆」「周期的な労働者の叛乱、ストライキ」「高まりゆく労働者の要求」「労働者の反抗」「彼の自由な精神」
★Marxが書いている「彼の自由な精神」seine liberale Seel(英訳版では his liberal soul)という表現は、大著『資本論』の中でここだけです。第13章第6節にはJ・S・ミル(経済学者としての)の名前も登場します。
(2009/6/28)
★何の因果か、館山市の北条海岸や鏡ヶ浦にボートを浮かべ(これって労働?)、現役最後の夏休みです。随分日焼けしました。
★Marxの『資本論』DAS KAPITAL で、資本主義発達の最も異様な光景を叙述した文章は、第13章第5節の「労働者と機械との闘争」です。
◎数十年間にわたって徐々に進行し、ついに1838年に至って終りを告げたイギリスの木綿手織工の没落は、世界史上に例のない悲惨な光景を呈した。
◎彼らのうちの多くの者が餓死し、多くの者が、家族とともに長いあいだ1日2ペンス半で、命だけをつないだ。
Viele von ihnen starben am Hungertod, viele vegetierten lange mit ihren Familien auf 21/2d. täglich.
★上記の叙述は『資本論』DAS KAPITAL の原風景(プロレタリア大衆の原像か?)と言えるでしょう。
★労働者は機械と闘っていたわけではなく、相手は機械の導入によって財産を得た人たちでした。IT時代の現代でも同様です。(餓死ではなく自死ですが?)J・S・ミルは『経済学原理』Principles of Political Economy(岩波文庫)において下記のように指摘しています。
◎今日までは、従来行なわれたすべての機械的発明が果たしてどの人間かの日々の労苦を軽減したかどうか、はなはだ疑わしい。
Hitherto it is questionable if all the mechanical inventions yet made have lightened the day's toil of any human being.
(第4篇第6章2、富および人口の停止状態はしかしそれ自身としては忌むべきものではない)
◎それは、・・・より多数の工業家やその他の人たちが財産をつくることを可能ならしめた。
(前掲)
◎公正な制度に加えて、人類の増加が賢明な先見の思慮ある指導のもとに行われるようになったとき・・・このようなときにのみ、科学的発見者たちの知力とエネルギーとによって自然諸力から獲得した戦利品は、人類の共有財産となり、万人の分け前を改善増加させる手段となることを得るのである。
(前掲)
★ミルの「停止状態」の効用性(射程距離の長さ)については、かつてシンポジウム後の懇親会場で山下重一先生から御教示を得ました(励まされた?)。
★夏休み中ですが、</FONT></FONT>このテーマ、さらに書き続けます。「絶望」についてはキルケゴールを参照し、「希望」についてはミルを再検討し、Selbstmordについてはプラトン著『パイドン』を参照します。
(2009/8/9)
年齢階層 | 1位 | 10万人当 | 2位 | 10万人当 | 3位 | 10万人当 |
20~24歳 | 自殺 | 19.8人 | 事故 | 9.4人 | ガン | 3.5人 |
25~29歳 | 自殺 | 21.6人 | 事故 | 7.9人 | ガン | 4.9人 |
30~34歳 | 自殺 | 22.3人 | ガン | 9.7人 | 事故 | 7.0人 |
35~39歳 | 自殺 | 25.4人 | ガン | 18.3人 | 心疾患 | 8.8人 |
40~44歳 | ガン | 33.8人 | 自殺 | 28.1人 | 心疾患 | 15.1人 |
(以下略)
★自殺者の最も多い世代は50~54歳で、人口10万人あたり34.9人という統計数字です。男女比は記載されていません。この酷い数字を、人口社会学の研究者はどのように受け止め、分析しているのでしょうか?
★一昨年の数字ですから、現在はもっと深刻な数字になっていると思われます。(11年連続3万人以上)今回の政権移行(衆院308議席の願望)で「絶望」国家を「希望」国家へパラダイム・チェンジできるかどうか?
(2009/9/6)
★新刊の『板垣退助君傳記』第1巻(原書房)を購入してゆっくり読んでいます。同社のシリーズでは『世外井上公伝』(全5巻)をかつて購入し、愛読書?の一つです。今回の読書は二つの伝記を比較しながら味読しています。生・老・病・死、両者共に前半生の苦難の史実が凄い。明治維新史の達成の深さ(高さ)を、この二人の人物(土佐の退助と長州の馨)を両翼として考えてみようというのが私の着眼点なのですが、どうでしょうか?『板垣退助君傳記』の刊行を慶賀すると共に、全4巻の完結を楽しみにしています。
(2009/9/27)
★秩父事件研究顕彰協議会の会報「秩父」132号で、元副会長の島田和雄さんが7月24日に御逝去されたことを知りました。島田先生とは「自由民権120年」の会議や懇親会で何度も同席しました。島田先生からは三春の松本先生(故人)のような暖かさと怖さを常に感じていました。尖端に立つ人の強靱さから学び取りたいとずっと思っていましたので残念でなりません。寂しいですね。生前の御厚誼に感謝し心より御冥福をお祈り申し上げます。
(2009/10/18)
★先日、東京の福井先生に玉稿を送って頂きました。ご紹介すると共にお礼を申し上げます。相変わらず緻密な論理展開の考察で、少しずつ味読しています。
(1)君の村から運動を開始せよ (「影印本 足尾銅山鉱毒事件関係資料」)
(2)植木枝盛と三大事件建白の精神 (『高知市立自由民権記念館紀要16』2008.8)
(3)東京専門学校の開校と校風・学生の活動 (『プロジェクト研究第3号』)
(2009/11/8)
★今日、次のようなネットニュースを読んで少し恐くなりました。何かハリウッド映画のワンシーンのような感じですが、現実なのですね。
11月23日18時35分配信【シドニー時事】南極海で100以上の氷山がニュージーランドの南島に向かって漂流していることが衛星写真で確認された。オーストラリア南極局の氷河学者ニール・ヤング氏によると、氷山はニュージーランド領オークランド諸島沖を通過し、北東へ約450キロの南島方向にまとまって移動している。この中には200メートル以上の幅の氷山もあるという。ヤング氏は氷山の数は数百に上る可能性もあると指摘。これらの氷山は、地球温暖化で海水温と気温が上昇する中で、南極大陸から分離した巨大な氷の塊が割れてできたと説明した。
★私たちの生活にどのような影響が出るか?今後、海水の水位に変化があるのかどうか?
(2009/11/23)
★先頃、君津市から鴨川市にまたがる東京大学演習林が一般開放(年2回)になりましたので、家族で演習林内の山道を散策し、渓流と紅葉風景を撮影して来ました。しばし現実を忘れるような自然が残存しています。房総丘陵の亀山湖奥にある黒滝周辺の渓谷は、十和田湖に繋がる奥入瀬渓谷の景観のような彫りの深さです。少し褒め過ぎかな・・・。
★今晩、次のような報道が流れ、またも不思議で不気味なニュースです。"
11月29日22時0分配信【読売新聞カイロ支局】砂漠が広がるサウジアラビア西部の主要都市ジッダで集中豪雨による洪水が発生し、多数の家屋や道路が崩壊、死者は29日までに106人に上った。豪雨が襲ったのは25日で、約1200世帯が避難生活を強いられている。近郊のイスラム教聖地メッカでも、巡礼者が傘をさして歩く姿が見られた。
★来週から師走です。喪中欠礼の葉書が届く季節になりました。「冬籠りまた寄り添わんこの柱」(はせを)。
(2009/11/29)
★受贈図書のお知らせです。詩集『その日その人々』(土曜美術社2009年)を郵送して頂きました。本間先生は元千葉県高等学校教職員組合の委員長でした。次のような詩句に目がとまり考えさせられました。
誰のための
何のための闘いであったろう
今はもう おまえの背後に
守るべきものは何もみな
見失われてしまったのに
(中略)
思い起こせ 瀕死のおまえよ
どこかに一対の櫂がある
舟がある 島がある
全ての命を育んだ
根源の岸辺があるはずだ
★もう一冊受贈図書のお知らせです。退官記念論文集の『近代日本の政党と社会』(日本経済評論社2009年)を、編著者の安在教授から贈って頂きました。御紹介し心よりお礼申し上げます。長い間本当に御苦労様でした。
★この所、新刊の『板垣退助君傳記』(全4巻)(原書房2009年)を少しずつ味読しています。自分自身が生きている間に、このような書物に出会えるとは思ってもみませんでしたので嬉しい限りです。スコッチウイスキーの芳醇な古酒を味わうような気分です。(高価なものは飲んだことはありませんが?)このような至福の読書の機会を与えてくれた『板垣退助君傳記』の発見者で、校訂者の公文先生に感謝申し上げます。
★前庭の針葉樹の五葉松に庭先の岩ツツジも紫色に狂い咲きしています。(12月に咲くとは?)嶺岡山系の木々が異様に紅葉(黄葉)化しているように感じます。耳を澄まして自然の呻き声に神経を集中しているのですが・・・。
(2009/12/13)